ITコーディネーターとの出会い – 株式会社アイペック
株式会社アイペック
代表取締役会長
高見貞徳
平成15年8月のことであるが、当初、ITコーディネーターと言われても何のことか意味がわからなかった。ある時、「富山県総合情報センター」様から「経営者研修会」に参加するように要請された。
日頃、何かとお世話になっている関係上、やむなく消極的ではあったが参加した。そこで始めてITコーディネーターという方々との出会いがあった。年齢は油の乗り切った中堅のバリバリで、頭のよさそうなエリートの面々であった。
講師としての彼らは、まず始めに経営指導に精通しており、更にITにも精通している従来にない形の専門家であることが判った。
いよいよ研修が始まると、その講義は予期していたよりハイレベルの内容であった。中身は中小企業における経営課題が整然と体系的に整理されていて、自社の強み、弱みを見つけ出すのが意外と容易に感じた。
かつてITの走りは単純な四則計算しかできない電卓であった。ところが、近年、IT活用なくして企業経営は成り立たない。どちらかと言うとITによる諸々のデータ分析結果により、経営者が経営の重要な意思決定を行なうことさえ稀ではない。いわゆるITの結果に指示されているのである。
ところで企業経営は「生き物」である。いわゆる「情」(直感・ヒラメキ)によって動く部分が多いのである。一方、ITは「理」である。「理」は完全無欠ではないと言える。入力される諸々のデータは量、質とも100%とは言い難い。と言うよりデータはあくまでデータでしかない。
したがって、企業経営者はデータに表れない、隠れた部分を現場での経験や有能な人との対話など「情」の部分を最大限活用しなければならない。一方、ITはITで重要であり、侮る事はできない。なるべく正確な情報を収集し、正確に分析しなければならない。
ここからがITコーディネーターの出番である。経営指導の専門家であり、且つITの専門家であるITコーディネーターが「情」と「理」をうまくコーディネートして、企業経営者にアドバイスできる専門家であることが望まれる。
それはあたかも車の両輪の如くである。
航空機とITの発達によって、地球上の距離は短くなり、人の交流は複雑になってきている。企業経営も益々複雑多様になってきている。その結果、企業経営者の片腕となるITコーディネーターの出番が益々増えてくる。皆様のご活躍をお祈り申し上げる次第です。
2005年10月26日