設立趣意書
1.ITコーディネータ制度の創設に至った背景
日本の情報化投資規模はアメリカに次ぎ世界第2位にもかかわらず、情報化投資の効果が経済状況に反映されているとはいえない状況であり、日本の国際競争力は、平成5年度の2位以降下降を続け、平成13年度では、20位以下までに下降を続けてきております。
このため経済産業省は、平成11年度より21世紀に向けて我が国の産業競争力回復を目指した、戦略的情報化投資活性化事業(ITSSP:ITソリューション・スクウェア・プロジェクト)を開始し、中堅・中小企業の経営戦略を担当する経営戦略責任者(CSO:Chief Strategic Officer)のためのセミナーや個別企業訪問、インターネットを通じた情報提供や経営戦略責任者交流会などの戦略的情報化投資に関する支援活動を行ってきております。
ITコーディネータとは
経営戦略企画責任者(Chief Strategic Officer)の戦略的情報化ビジョンの策定を支援し、戦略的情報化ビジョンに基づく情報システムの企画及び調達を行い、システムインテグレータ等がシステム構築を実施する場合にもアドバイザ的に働きまた監理し、これが無事に稼働するまで一貫して関与し続けるような経営戦略と情報システムを繋ぐことを行う人材。
平成12年2月に、産業構造審議会情報産業部会「情報化人材対策小委員会」においてITSSP事業を支援する人材を育成・普及するためのITコーディネータ制度創設についての提言が行われました。
2.本県のITコーディネータ資格取得者の現状
平成13年2月に全国組織である特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(ITCA)が発足し、ITコーディネータの養成が開始されました。
平成13年10月には、 第1回ITコーディネータ資格取得者が全国で559名(本県5名)誕生しました。
ITコーディネータの活用機会の創出については、我が国の情報化投資の拡大と相まって政府も強力に支援しているため、今後も増加の一途を辿っております。
平成17年7月現在、本県で60名(ITコーディネータ補も含む)のITコーディネータが活躍しています。
3.「ITC富山」設立の意義
今後は県内のITコーディネータの急増が見込まれることから、ITコーディネータ相互のネットワークを形成し、ITコーディネータが経営戦略責任者に対して既存のビジネスの枠内にとどまらない提案を行うこと、自身の能力向上、ITコーディネータを目指す方々の支援を目的として、NPO法人ITコーディネータ富山なる、非営利団体を設立するものです。