ITC富山公開セミナー2021/IT経営カンファレンスinTOYAMA開催報告
令和4年2月24日、富山県総合情報センターにて「DXの前に業務改善」と題し、ITC富山公開セミナー2021/IT経営カンファレンスinTOYAMAを開催いたしました。
昨年に引き続き、会場とオンラインのハイブリッド開催で実施し、134名(会場41名、オンライン93名)の方にご参加いただきました。
講演1ではコンサルソーシング株式会社 代表取締役 松井順一氏より「トヨタ流業務改善の勘所」と題し、オンラインにてご講演いただきました。
トヨタ流の業務改善として、一般的に常識と考えられている内容とは真逆のアプローチを次々とご紹介され、驚きの連続でした。さらにそれぞれのアプローチの意味を解説頂くと、なるほどと納得できるものばかりであり、トヨタ流の業務改善は業務改善に対し考え続けた結晶であると感じました。
また、「顧客にとっての価値」を基準としたムダの削減から、下がったコストを顧客価値向上に向けて競争力を上げ、「価値を上げる・値上げのビジネス」をDXで目指すべきビジネスモデルとしてご紹介いただきました。DXの成功には業務のデジタル化やITツールの導入ではなく、業務改善がいかに重要かを表しているものであり、今後の取り組みに非常に参考となるものでした。
コンサルソーシング株式会社 代表取締役 松井順一氏
講演2では田中精密工業株式会社 事業開発部 事業開発ブロック ブロックリーダー 久世健二氏より「新製造現場のIoT化と業務改善~わが社の事例~」と題しご講演いただき、業務改善のためのDXの取り組みについて、実際の課題、解決方法とその結果を具体的にご紹介いただきました。
製造現場のIoT化によるデータ収集から、収集データと情報系の情報との組み合わせ、独自作成の工場業務モデルによるシミュレーション、工程計画の最適化、設備の自律制御まで実現された圧巻の内容でした。
プロジェクト初期の失敗例もお話しいただき、「IoT化によってデータ収集・可視化ができたものの、データだけでは生産効率の向上にはつながらなかった」というお話は、DXの取り組みで陥りやすい例として大変参考となる内容であったと思います。
田中精密工業株式会社 事業開発部 事業開発ブロック ブロックリーダー 久世健二氏
開会の挨拶:NPO法人ITコーディネータ富山 会長 吉田誠
閉会の挨拶:NPO法人ITコーディネータ富山 副会長 新田健一