ITC北陸三県合同研修会2022 in 富山 開催報告
令和4年10月9日(日)~10日(月)の2日間に渡り、ITC北陸三県合同研修会2022 in 富山を開催致しました。
ITC北陸三県合同研修会2022 in 富山の第一部 ITコーディネータ北陸三県合同カンファレンス
ITコーディネータ制度を創設する元となった産業構造審議会情報産業部会「情報化人材対策小委員会」で副委員長を務め、ITコーディネータの名付け親である中尾氏をお迎えし、DX時代とその先を見据えた上で、ITコーディネータはどうあるべきかの意見交換を行いました。
1.主催者挨拶(ITC富山会長 吉田 誠氏)
2.ITC誕生の経緯とITC富山の足跡 (ITC富山初代会長 岸 逸郎氏、ITC富山 吉田 誠氏)
3.対談 中尾哲雄氏 (元株式会社インテック社長) 聞き手:ITC富山 岸 逸郎氏
4.各組織の活動報告(富山、石川、福井)
5.パネルディスカッション「これからの20年に向けて」
パネラー:ITコーディネータ協会 会長 野村 真実氏
ITコーディネータ富山 会長 吉田 誠氏
石川県情報化支援協会 理事長 林 良隆氏
福井県情報化支援協会 理事長 栃川 昌文氏
モデラー:ITコーディネータ富山 金山 義男氏
中尾 哲雄氏(元株式会社インテック社長)
ITコーディネータ協会 会長 野村 真実氏
石川県情報化支援協会 理事長 林 良隆氏
福井県情報化支援協会 理事長 栃川 昌文氏
ITコーディネータ富山 会長 吉田 誠氏
パネルディスカッションの様子
ITC北陸三県合同研修会2022 in 富山の第二部は株式会社フジタ様にご協力いただき同社の工場見学とDXの取組についてご講演いただきました。
株式会社フジタ様は金属加工、金型製造を生業としているいわゆる町工場です。
DXの取り組みについては、情報システム、広報、総務・経理・労務、製造と部門ごとに時間を区切って事例をご紹介いただきました。
1.情報システム
2.広報活動
3.総務・経理・労務
4.製造(工場見学)
5.株式会社フジタ梶川社長とITC富山吉田会長との対談
1.
情報システムでは、文書管理システム、生産管理システム、DR対策、取引先との情報共有の事例をご紹介いただきました。
業務の分析⇒問題点の洗い出し⇒改善目的・目標の設定⇒ITシステムの導入⇒成果の確認⇒さらなる改善と改善活動のサイクルが機能しておられます。
気をつけている点としてITツールは経営課題を解決するための手段であり、手段が目的にならないように意識しておられるということです。
2.
広報活動では、町工場の暗いイメージの払拭、営業面と採用面から自社を選んでもらうための活動をご紹介いただきました。
過去10余年のホームページの更新からブログサイト、メルマガの立ち上げ、Facebook、Twitter、インスタグラムのSNSの活用、Youtubeチャンネルの開設、VR工場見学など様々なチャネルから同社の広報活動をしておられます。
広報活動はすぐに結果が出ず忍耐強く継続してこられたそうです。ここ数年は実を結び、講演依頼やメディア取材、入社希望者が現れるなど成功しておられます。
活動初期は社内からの反対意見があり苦労された点などもお話いただきました。
3.
総務・経理・労務では、電子申告の義務化に向けて、社会保険関連(厚生年金保険、健康保険、労働保険、雇用保険)、請求業務(電子請求・電子手形)、人事労務(勤怠)など電子化できるものを洗い出し取り組みを開始されました。
業務の洗い出し⇒導入効果の確認・電子化後の予想される課題の確認⇒電子化の導入⇒効果の確認を行われたそうです。
電子化後は保管場所の減少、紙コストの削減、情報検索の短縮、紛失対策などの成果を紹介していただきました。また電子化で空いた時間は広報活動に充てられ限られた業務時間を有効活用しているとのことです。
4.
製造部でのDX化は工場見学しながらご説明いただきました。
これまでの改善活動として、工場内の整理・整頓、工程のみえる化、個人のスキルのみえる化、GoodJobカードによる感謝のみえる化など様々な取り組みをされていました。
おそらく過去には町工場ゆえんの職人集団だったのであろうと想像します。おそらく反対意見もあっただろうと想像しますが様々な改善をしておられました。
製造現場でのDX化については、大型ディスプレイ+テレタッチ(電子黒板ツール)を導入され生産計画の表示、多拠点とのオンラインミーティングに活用されています。
また、Webカメラを工場内に導入され電話呼び出しの際に社員がどこに居るか、機械の稼働状況の確認に使用しておられます。
製造現場での失敗事例もご紹介いただきました。電力使用量から金属加工機のの稼働状況を調べる取り組みをされたそうですが、稼働状況が正確にわからない上にデータを精査するための聞き取りに手間がかかり断念されたそうです。
5.
梶川社長より改めて株式会社フジタについてご説明をいただきました。
梶川社長は2010年に社長に就任されました。自社を「カタチないものをカタチあるものにできる創造企業」と定義され社長就任後「小集団活動」「3s活動」「社内OJT」を繰り返し行いルールの無かった会社に様々なルールを導入されていったそうです。
過去12年の経営を振り返り自社が変革していく様子をお話いただきました。VUCA時代に自律的に行動するための人材づくりを目指して多くの取り組みをされていました。
人材づくりについても答えのない課題であるため、成功と失敗を行ったり来たり試行錯誤を繰り返して今に至っているそうです。
吉田会長や参加者からの質問にも数多くお答えいただきました。
最後に10月15日に開催される第3回くだらないものグランプリにエントリーされる「LOVE LOVEメリケンサック」を見せていただきました。
これに参加することで社内で創意工夫、話し合いを行いくだらないものを一生懸命作る。社員の方々が楽しく企画・制作されているのを感じました。
第3回くだらないものグランプリは見事に株式会社フジタが優勝されました。
全体を通してどの部門も改善に対する意識が高く、成功も失敗もお話しいただきました。自分にとっても刺激となる研修会でした。
ご協力頂きました株式会社フジタの皆様ありがとうございます。