ポリスコップが店頭から消えた!?
平成18年2月18日
(株)インテック
岸 逸郎
12月の大雪には驚いた人も多かったのではないだろうか。
東京に単身赴任している私にとっては、こちらの積雪も気になるところではあったが、何よりも交通機関の混乱には閉口した。1月に入ってもっとひどくなるのかと思ったら、やや肩透かしであるがまだまだ安心できない。
例年になく一気に雪が積もった12月に、県内のホームセンターやドラッグストアなど、どこの店でもポリスコップやママさんダンプなどの除雪用品が品切れになったのをご存知であろうか。今年は暖冬予想で生産量が少なかったのかどうかはわからないが、とにかく全国的に需要が供給を上回ったのは事実である。
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我が家でもポリスコップをめぐって一騒動となった。別居している親はこれまでかたくなにアルミスコップを使っていたが、年老いたせいか今年はポリスコップがいると言い出した。ホームセンターに行けば売っているだろうと思い安請け合いしたものの、どこを探しても品切れである。我が家のスコップを渡すとこちらが困ってしまうので、そんなわけにもいかない。食卓でお茶を飲みながら思案していたら、ふと娘がインターネットでチャットをしているのが目に入った。そうだ!インターネットで探そう!早速、いやがる娘を強引に勉強に追いやり、ショッピングサイトでポリスコップを検索した。20件近くヒットしたがほとんどが「売切れ」と表示されている。やっぱり考えることはみんな一緒である。それでも北海道の根室のショップで、残り数個というところでなんとか注文が成立し、3日後に宅配便で送られてきて一件落着となった。
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ITの威力はすごい。たかがポリスコップであるが、物理的な行動範囲の制約を超えて日本全国の店頭の在庫状況が瞬時にわかり、その引当処理が茶の間からできるわけである。決済はクレジットカードなので銀行に行って送金する手間はいらないし、大手の物流業者を利用していれば配送状況がほぼリアルに把握できる。
一昔前あれば資本力のある大手企業が相当なIT投資をして実現していた仕組みが、インターネットやそれを利用した各種のサービスの発達で、中堅中小企業でも工夫次第で簡単に実現できる時代である。
ITビジネスに関わる立場としては、日々進化するIT技術に追随する必要は当然あるが、一方ではITを活用した世の中の仕組みや制度を敏感にキャッチし、ビジネスをプロデュースする力も必要であると感じている。
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先日、千葉県浦安市の消費生活センターで「安心!安全!インターネット」という講座の講師をやる機会があった。夕方6時半から2時間の講座で、20名ほどの受講者が集まった。最高齢で82歳、大半が年金支給の対象となるお年の方々であったが、最後まで熱心に聞いていただいた。年代別のインターネット利用人口では50歳代以上の伸び率が高いとの統計もある。ITは、ビジネスばかりではなく社会生活に深く浸透しはじめてきているのは確実である。
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「ITコーディネータ」と名乗ってはいるものの、真にお客さまの経営に役立つ“コーディネート”をするには、まだまだ越えなければならないハードルがたくさんあるなあ、と実感している。(了)