写真機
平成18年3月20日
稲土税理士事務所
稲土 豊
今年になってショックを受けた。ニコンが一部の機種を除きフィルムカメラの製造から撤退するという記事だ。
大学時代の友人達がニコンの一眼レフカメラを持っていたのと、指導教官がニコン党なので、自分もニコンに染まってしまった。いけ好かない同級生がキヤノン党だったので、よけいニコンへなびくことにもなった。貧乏学生には一番レフを購入するには荷が重かったので、就職してからようやくニコンFEを手にすることができた。それ以来、F100までフィルムカメラを愛用してきた。FM3Aというマニュアル一眼レフを、そのうち購入したいと思っていた。定価はレンズ付で10万円強なので、8万円弱で手に入ればいいやと思い、カメラ屋に保管させているつもりで、カタログを見てあれこれ考えたりしていた。F100は、プログラムAEが主で、マニュアル撮影ができないわけではないが、なぜかFM3Aの素朴さに親しみを感じていた。
それが、製造撤退のニュースを新聞で知った。そのときは、安易に考えていた。なぜか翌日になって、価格コムのホームページを覗いたらプレミアム付の価格表示になっていた。ビックカメラやヨドバシカメラでは在庫なしだった。「そんなあほな」と思いつつ、その翌日に価格コムのホームページでは、FM3Aそのものの表示がなくなってしまった。ショックを受けつつ、YAHOOで検索するといくつかヒットしてきた。が、どれもプレミアム付の価格に代わってしまっていた。
世の中は、アナログからデジタルに代わってきた。TV番組の録画もVHSテープからDVDやHDDに代わっている。カメラもフィルムからデジタルに代わるのは当然なのだが、なぜか一眼レフだけは別と思っていた自分が情けなかった。実際、ニコンD70というデジタル一眼レフを持っているが、撮影してから、パソコンに取り込んでいろいろ調整する必要があって面倒くさいんです。フィルムは、お金がかかるけど、写った内容は、そのままズバリだから、シンプルそのもの。失敗したらあきらめればいい。といっても、コンパクトカメラはデジタルカメラを利用している自分を見つめると、自分の考えの甘さを痛感した。
コニカミノルタもフィルム事業から撤退、カメラ事業の一眼レフ部門はソニーに売却して、コンパクトカメラ部門は撤退というニュースが飛び込んできた。富士フィルムもフィルム事業部門のリストラをするという。世の中、アナログの縮小は当然の流れなのだろう。
結局、FM3Aを買うのはあきらめた。プレミアム付きで大枚をはたくより、ニコンの新製品のデジタル一眼レフD200は、ボディが18万円位で販売されている。それならD200を買ったほうがいいはずではないか。そう思ってしまう。デジタル時代なら、デジタルカメラを活用することにした。パソコンにフォトショップエレメントでも入れていろいろ調整することになるだろう。これから、初心者としてソフトの勉強と思うと、気が重い。