スイッチ
平成18年8月23日
有限会社 オフィスケイ
川上 渉
●突然のエラー
パソコンに向かって、一生懸命、資料を作っていると、突然エラーになって今までの作業がフイになってしまう。「今までの2時間はなんだったんだー」と叫びたくなる。
皆さんもこんな経験をされたことはないだろうか?私は懲りもせず同じ過ちを繰り返している。途中で、こまめに保存をしておけばいいのだが、集中力が上がれば上がるほど、保存を忘れ、痛い目に会う。
先日も痛い目に会い、その時、ふと、リセットキーのことを思い出した。
●リセットキー
一昔前、あるパソコンのキーボードに、「リセット」というキーがついていた。文字通り、押すとパソコンがリセットされるという危険極まりないキーである。
お客様も、やはり何度も痛い目に会ったらしく、リセットキーの近くに白い紙を貼って赤マジックで「押すな」と書いてあったりした。
また、あるお客様は、キャップのような物を自作し、リセットキーに被せて、押せないようにしていた。
私が以前に勤めていた会社では、非常にシンプルで使いやすいOS(パソコンのオペレーションシステム)を開発していて、この「リセット」キーをうまく活用していた。
「リセット」キーの後のキー操作により、今の仕事を再開するとか、途中からリスタートするといった風に、「リセット」キーを操作の一部として組み込んでいた。
今のパソコンにも、こんな機能があって、作業の途中からリスタートできればいいのに、とつい思ってしまった。
●傾聴のスイッチ
「リセット」キーを意識して押すか、意識せずに触れてしまうか、ということを考えていると、あるコーチングの先生の言葉を思い出した。
「コーチングを行なおうとする時は、コーチングをスイッチを入れます。」という一言である。
最初は、何のことだかさっぱり解らなかったが、最近は、「傾聴のスイッチ」を意識して使えるようになってきた。(ほんの少しだが)
コーチングは、質問をし、返答を引き出すことによって、相手をその気にさせていく技術である。
私が初めてコーチングをやったころは、相手が話している最中に、「次は何を質問しようかな」などと考えていて、「あれっ、相手は今なんて答えたのだろう」ということが何度かあった。すごーく反省して、どうしたら相手の話をちゃんと聞けるのか、一生懸命考えてみた。
すぐ答えが見つかった訳でも、完璧な答えが見つかった訳でもないが、今の私の感覚では、相手の話に興味津々になる、といったところだろうか。
「さあ、この人はどんな話をしてくれるのだろうか?」と思って、身を乗り出すというのが、私流の「傾聴のスイッチ」である。
少しづつではあるが、仕事の時には、意識せずともスイッチが入るような感覚も感じている。
こんな私も、家では子供たちから、「パパ、最後まで聞いてよ!」なんて言われているので、全くスイッチが入っていないのだなと、反省しきりである。