ハードディスクのリスク管理
パソコンを業務で使っていると、ある日突然動かなくなってしまった、という経験はありませんか?この場合、ほとんどのケースがハードディスクの故障です。ハードディスクが故障になると、復旧まで時間がかかったり、大切なデータが壊れている可能性もあったりなど、業務に与える影響が非常に大きいものと言えます。
業務となれば、ハードディスクは1日8時間で、月20日、年間240日ずっと動き続けているわけですから、酷使と言えば酷使です。すなわち、消耗品であると割り切ることも必要です。
最初に注意する点は、ハードディスクの想定寿命がどのくらいかを把握することです。1日8時間の使用で3年とか4年とか、購入時の確認が必要でしょう。ハードディスク単体でなく、パソコンの設計寿命でもかまいません。
次に、ハードディスクが壊れた時の対策、すなわちリスク管理を考えます。ここではコストとも兼ね合いにもなりますが、一般的にはバックアップが多いのではないでしょうか。
バックアップにもいろいろありまして、よくあるのがデータのみをアーカイブしたり、NASなどのネットワークドライブに保存したりといったケースです。必要なデータが無くなることは防げますが、パソコンをもとの状態に戻す作業を忘れてはいけません。OSのインストールに始まり、サービスパックを導入して、アプリケーションを入れて、・・・半日作業です。
これを解消するのがイメージバックアップという、ハードディスクをまるまるアーカイブしてくれるものです。パソコンの復旧作業が短時間で可能になります。経理情報や顧客との取引情報のようにローカルに重要情報を保存している場合にも役に立つでしょう。
ほかにもレプリケーションというバックアップ方法があります。これは物理的に異なるハードディスクに同じものを書いたり消したりするもので、障害時にはハードディスクの入れ替えで済みます。ここでも重要な注意点があって、誤って消したデータは、もうひとつのハードディスク内でも消されてしまう、ということです。私自身、痛い失敗をした経験もあります。
バックアップとは違いますが、ハードディスクそのものを交換してしまう方法もあります。先の述べたように、寿命が分かっているのであれば、壊れる前に新品に入れ替えてしまおう、という考え方です。ディスクのクローンを作るソフトがあれば、交換作業と合わせて1、2時間で完了できます。ただし、ノートは交換が難しい機種もありますので、注意が必要です。ゴミ排出量削減の観点からみても、パソコン本体の買い替えよりいいのではないでしょうか。
以上述べたように、方法はいろいろありますが、コストやデータの重要性、作業の慣れなどの観点からより良い方法を採用するのがいいと思います。
2011年9月25日
(宮川)