中高年の健康志向
平成19年2月4日
有限会社水野組
水野 純男
1.話題
日頃、数人が集まった時や、飲み会の席での話題についてですが、年とともに変わるそうです。20代のころは恋愛・異性の話、30代になると結婚・子供のこと、40代になると、子供の進学・就職のこと、50代になると、子供の結婚・孫のこと、そして一番多くなるのが、健康のことだそうです。たしかに、20代のころは健康のことなど何も考えていなかったような。近ごろは、何かといえば、健康。「健康のためなら、多少病気になっても仕方がない」などと、落語のようなことを言っている人もいました。
2.健康登山
そんな健康志向の中で、中高年の登山がブームとなっています。初めはちょっとしたトラッキング程度から、装備を整え海外の山へも挑戦する人など様々です。富山県にも有名な山が数多くあり、夏ともなれば数多くの山好きが入山します。以前の登山といえば、大学のワンダーフォーゲル部・登山部などの貧乏学生が、テントなどを入れた、大きなリックを背負っている光景が普通でした。今は、ブランド物の登山用品一式に身を固めた中高年の列が、登山道を埋め尽くしています。
3.事故
例年、夏山の季節に多くの事故が北アルプス一帯でおきています。そのほとんどが、中高年という現実があります。昨年も私たちとすれ違った次の日に雪渓から滑落して死亡した事故もありました。原因といえば様々だそうですが、若いころと同じと思う体力への過信、そこから来る無理な行程なども事故原因の一因ではないでしょうか。夜8時ごろになっても山小屋に到着しないので、みんなで探しにいくこともよくあるそうです。
70代に見える老夫婦が、私たちと同じ行程を歩かれ、途中で夫婦の荷物を全部持ってあげたが、それでも歩けなくなり、山岳警備隊に応援を頼んだこともありました。
また、ちょっとしたことで県警に携帯で救助要請をすることもしばしば。県警ヘリコプターを無料タクシーだと思っている人もいるそうです。(その間、本当に救助の必要な人の所へ行くのが遅れます。)
ITC 風にいえば、PDCAを回してほしいものです。入念な身の丈にあった計画、慎重な行動、常にリスクをチェックし、行動計画の見直しをしていただきたいものです。せっかく、大自然の中へ入ったのだから、自然を楽しみ、元気に下山してこその登山だと思います。ちょっと説教くさくなりましたが、最後に一言、「家につくまでが登山ですよ」。